虐待防止法が2004年に改正され施行されたのは、日本もその時代に突入し家庭内の問題ではなく社会問題としての広がりをもっているからでしょう。その課題を「環境的」にとらえて解決に取り組んでいるのはスクールソーシャルワーカーであったり、スクールカウンセラーであったりです。数字をあげれば相談には全国で年26,600件もあるそうです。東京都では平成16年度で3,019件ありました。親からの虐待が81%、虐待期間1年未満が53%などの数字だけでも驚きです。背景は核家族化、受験競争、遊びの機会の減少、特に母親の横並びの意識、地域連帯の欠如、親子関係の希薄化、などあげれば切りが無いです。<起こるべきして起きた>現代的な現象なのでしょう。しかし法律で罰する前に保護、予防そして具体的な支援が必要です。家庭内暴力防止のDV法もすでにできました。これからは表面に現れてこない事故・事件も明らかになり増加する時代です。マスコミや行政などの責務もあります。しかし根本は、将来を担うよい子供を育成するためにも、虐待をなくすためにも先人の智慧やこころをもっと学ぶべきでしょう。私は長寿県で地域の絆の深い沖縄や大家族のタイには余り無いと思ってみています。