従野公淳師(日蓮宗僧侶)は、ワット パクナムに出家(佛暦2526年)していたときプラモンコンテープニーの瞑想実践法の<瞑想の栞>を翻訳紹介しています。
其の一部を転載させていただいた。
・第1章 瞑想への導入
―瞑想とはー
これから瞑想を始めようとする人は、カマタンとは、サマーテイとは何かと言う疑問や理論も言葉も不要であり、私生活の諸事についてのこと等は、一切考えない事である。
瞑想とは、考えれば考えるほど、できなくなるものである。
タイ国ではシッカ(修業)、≪シーラ(戒・律)、サマーテイ(定・心の乱れや動揺を静める行為)、パンニャ(智慧)≫がある。その一つであるサマーテイは、カマタン(業処)の基本であり、心身の整調によってはじめられるものである。従って、自らを素直ににして、心を静かに落ち着けることのできるように、先ず、心の準備をすることである。
―瞑想の心得―
寺院の瞑想堂に入ったならば、他の人の迷惑になるような言動は、絶対に慎まなければならない。(退堂の折りにも同様に心得ること。)
師僧にたいし、静かに合掌・三礼の排をし(師僧も瞑想中のこともあるが、三礼はすること)、指定された自分の坐処に静かに着き、素直に師の指導に従うことである。
―瞑想の作法―
・坐り方~説明は省略:半盤跏趺坐
・手と定印の結び方:左手大拇指(親指)に右手人差指に軽く触れる。
・呼吸(繋心法):腹式呼吸~次に心の中で静かにサンマーアラハンを繰り返し唱え、腹の中に(臍の上指二本のところ)一つの「珠」を対象として、意識の集中を計る。~順次、観想、瞑想、寂静へと心の次元を高めていくのである。
・繋心法の実践:正しく趺坐し、微かに目を閉じ、静かに呼吸を調える。心にサンマーアラハンを三度唱え①鼻孔(男性は右の鼻孔、女性は左)に珠を思い浮かべる。サンマーアラハンを三度唱え②珠を眼孔へと引き入れ、サンマーアラハンを三度唱え③脳の中心へ水平移行させ、サンマーアラハンを三度唱え④口顎のところに下げ、サンマーアラハンを三度唱え⑤咽喉へ下げ、サンマーアラハンを三度唱え⑥臍の位置迄垂直に静かに下ろし、サンマーアラハンを三度唱え⑦臍上二指のところに珠を静止させる。
*此れを理解し実践する事は大変ですが、「この珠より発する光がみえる。この時、こころを静め光を保ち続ける」ことである。
*その他の注意事項:1、思慮や分別をしない~そうすると珠や光が消えてしまう。 2、心身ともに力を抜き、リラックスした平常心で修する。
@バンコクのワットパクナムでは毎日公開の瞑想指導が行われています。又、タイの多くの寺院や世界のタイ寺院でもプラモンコンテープ二ーの瞑想実践道場があります。
サマーテイ(瞑想)とヴィパサナーの瞑想の違いについての質問がありました。プモンコンテープニーの瞑想法は、静かに心を調える瞑想(静止観、止観)と思っています。しかしそこから出発し独自の瞑想指導をしているタンマカーイ寺院の高僧と話していたら3つの段階がある、と言っていました。その3段階目の目指すところが「観想」だと言っていました。それが印象的な説明でした。
ヴィパッサナー瞑想は、提唱している指導者や寺院は異なっていても同じ「涅槃」に至る上座部仏教国での瞑想による修行方法です。サテイ→サマーテイ→ヴィパッサナーと言う分類の修行法もあります。禅(ZEN)やヨガもお釈迦さんの悟った瞑想からです。出自は同じですが、国や地域そして僧侶・寺院によって異なっています。