「朝題目、夕念仏」と言われるぐらい日本人には定着している日本仏教界の唱題です。
宗派ごとに違うのは信仰するお経や宗祖の教えにあります。「南無妙法蓮華経」は日蓮宗系で「南無阿弥陀仏」は浄土宗系、天台宗です(参考:曹洞宗は「南無釈迦牟尼仏」、真言宗系は「南無大師遍照金剛」です)。歴史的には南無阿弥陀仏があってその後南無妙法蓮華経が一般的に普及してきました。『南無』はどの宗派とも同じ(上座部仏教国では『ナーモ(南無)....プット(仏陀)..』)です。菩薩の仏像を信仰するか釈迦の説いたお経を信仰するかとの違いがあります。
日本仏教は6世紀の飛鳥時代中国(朝鮮)より渡来した宗教です。日本最古の宗派、天台宗の開祖最澄は、妙法蓮華経を中心とした仏教の研鑚をしていたのですが、学んだ中国宗派からの影響からでしょうか「南無阿弥陀仏」です。
題目受持(南無妙法蓮華経)の代表的な著書<日蓮聖人教学研究:庵谷行亨著>を読破した結果をこのBLOGに少し紹介したいと思います。大変な分
量を多面的な角度から考察し執筆しており一般的には理解しにくい専門書です。私なりに幾つか述べます。
・ 衆生成仏の大道がこの【受持】にあります。この題目唱題により誰でも成仏できる。
・ この【受持】によって仏の悟りと智慧と功徳とが与えられる。
・ 末法の時代の救済がこの【受持】にある。
・ 釈迦の教え法華経を解釈した日蓮の「観心本尊抄」にこの題目の【受持】が強調される。
これらのことは、釈迦が晩年の8年の間説いた法華経と鎌倉時代の日蓮聖人が「観心本尊抄」をはじめ書簡等で説いた諸説の信仰のポイントが【題目の受持】にあることです。