この言葉を知っている人は業界の人でしょうか。《閉眼式》とも言います。何を?するのか。古い仏像や仏具などの魂の祈りの儀式です。《開眼式》に対しての《閉眼式》です。
今回私に相談のあったのは「遺影」の処分でした。両親の仏壇は菩提寺にお願いし処分したのですが、遺影は忘れたので…。そのため知人の僧侶数人に問い合わせたところ、【お焚き上げをする】ことでは同じですが、ただ燃やす派から住職の判断派そして「魂の入った遺影の撥遣式」をする派まで様々でした。遺族の気持ちは“ただ燃やすのは偲び難い”のでお祈り(撥遣式)をして欲しい、とのことでしたのでしました。
お経と回向文以外特別なことはなく、古いものや壊れた仏像の処分の例にのっとり白紙に遺影を包みました。長女の方も「これですっきりできた、けじめができた」とのことでした。このあとは寺院で『浄焚式』をすることになります。神式が一般的な地鎮式も上棟式も仏教でもあります。明治以降の神佛分離以後ある行事は同じ、ある行事は別々との認識(棲み分け)が定着しています。が、出生から死まで仏教も神式もキリスト教も同じに儀式があります。
*写真は、カンボジアの内戦時代、取材中亡くなったフリーカメラマンの一之瀬泰造さんの墓(シエムリアップ)